最近は、小学校1年生から、ひとりに1台ずつ
タブレットが貸与されるようになっていて、
デジタルダイエットをすることが
とても難しい環境になってきました。
わが家の子どもたちには、
高校生になるまで、携帯もゲーム機も
買いませんでした。
けれども、子どもたちは、
タブレットをいたずらしてみたり、
友達にゲーム機を借りたりして、
結局親よりも何枚も上手でした。
ゲームばかりやっているわが子を見て、
頭を抱えていらっしゃるご家庭も
多いかもしれませんが、
『禁止』や『隔離(買わない)』は
有効な方法ではないことが分かりますね。
興味深い実験があります。
檻に入れたネズミが、「モルヒネ入りの水」と
「普通の水」の両方を飲めるようにすると、
ネズミは「モルヒネ入りの水」を選ぶようになり、
やがて死に至ります。
この実験から、『薬物には依存させる成分が
含まれている』と信じられてきました。
ところが、この実験に疑問を持った人がいました。
彼は、檻の中にネズミが1匹しかいないことに
着目しました。
そこで、ラットパーク(ネズミの楽園)を
作り、楽しいアクティビティを用意し、
たくさんの仲間を放しました。
そして、このラットパークにも、
「モルヒネ入りの水」と「普通の水」の両方を
飲めるようにしました。
すると、どうでしょう。
ネズミたちは、「モルヒネ入りの水」を
選ばなかったのです。
また、1匹で檻の中に閉じ込められた
「依存症のネズミ」をラットパークに話したところ、
そのネズミも間もなく「モルヒネ入りの水」を
選ばなくなったのだそうです。
この実験は何を示しているのでしょうか?
人間はコミュニケーションを取ることで
生きています。
このコミュニケーションがなくなると、
人は別のやすらぎを求めるようになります。
それがゲームであったり、携帯であったりするのです。
小さい頃から、ゲームや携帯を買い与えて、
それをやっている時は静かでいいわと
楽をした結果が、ゲーム依存、スマホ依存なのかも
しれません。
携帯やゲーム機を取り上げるのではなく、
一緒に楽しんでコミュニケーションしてみるとか、
時間を決めて、親子一緒にデジタルでない
コミュニケーションを取る時間を作るのも良いでしょう。
ゲーム依存、スマホ依存にならないための一歩は、
コミュニケーションを取ることをさぼらないこと
なのではないでしょうか?
(大沼 縁)