先日、ある学習塾をやっていらっしゃる方と
お話しする機会がありました。
この塾に通っている三兄弟のお話です。
一番成績が良いのは、2番目のお子さん。
お母さんは、このお子さんに期待を
かけて、応援しています。
ところが、このお子さんが、浮かぬ表情で、成績も伸び悩み、突然、
「塾を辞めたい」と言い出したので、
お母さんは、慌てて、この学習塾の先生に
相談にみえたのです。
三兄弟の中で、期待されていない2人は、
のびのびと自由に勉強して、
成績も伸び始めています。
ところが、期待をしている子どもは、
思うように成績が伸びないばかりか
どんどん暗い表情になって、
辞めたいと言い出す始末。
お母さんは、どうにかやめさせないで、塾に行かせたいと思い、あがいているような感じでした。
そこで、この学習塾の先生は、
「お母さんは、何も言わないでください。お子さんに決めさせてください。」と伝えました。
その後、このお子さんは、晴れやかな表情で、「塾を続けることにした。」と報告してくれました。
子どものことを応援しているつもりでも、
実は、監視になっていることって、
よくあるんです。
お母さんが良かれと思ってやっていることが、実は、子どもにとっては、枠にはめられてしまって、身動きが取れなくなっているんですね。
わが子を信じて見守るというスタンスでいることは、とても難しいことですが、
それが一番子どもにとっては心地良く、
自分の道を進める環境なのですね。
子どもの選んだ道が、例え、親の思う道ではなくても、そこを経験したいから、選んだのです。
親は、目先の事実ではなく、10年、20年後のわが子がどうなっていれば良いかを目的に据えて、見守っていけると良いですね。
(大沼縁)