スコーレ保育園でのひとコマ。
年長さんになると、小学校に行くのを
楽しみにしている子どももいますが、
新しい環境に入ることに大きな不安を抱える子どもも
たくさんいますね。
小学校だけではなく、
いろんな場面で不安を抱えてしまって、
園に入れず、グズグズしてしまうお子さんは
たくさんいます。
そんなとき大人はどうしたらいいと思われますか?
子どもの不安に寄り添い、
できるだけ不安にならないように、
お話したり、準備をしたりと
手を尽くしていらっしゃるパパやママも多いのでは?
だれかに不安を解消してもらうことに慣れてしまうと、
誰かがいなくなった時に、また不安が大きくなります。
そのまま大人になってしまうと、
どうなってしまうか想像がつきますね。
ある親子(パパとお子さん)も、ご多聞に漏れず
そんなことを繰り返していました。
パパも小さい頃に不安になるタイプだったそうで、
わが子の気持ちがとてもよく分かるので、
不安を抱えないようにと手を尽くしていたのです。
ところが、ある日、とうとうその不安が爆発して、
「絶対に園に入らない!」と言い張ったのだそうです。
もう打つ手がなくなったパパは、
車の中で、しばらく様子を見ていました。
すると、10分ぐらいして、その子は、
「パパ、ドア開けて。もう大丈夫だから。」
と言って、ひとりで園に入っていきました。
その後ろ姿が、とってもカッコよかったと
パパは話してくれました。
後で、「なぜひとりで入れたの?」と質問したら、
「どんなに不安でも、しばらく園の外でじっとして、
心を落ち着かせたら大丈夫なことに気がついたから。」
と教えてくれました。
そうなのです。
この子は、自分で不安になったときの対処法を
見つけたのです。
わが子が問題にぶつかった時、
親が「どうしよう!」と一緒になって
解決しようとすると、一緒に泥沼に
足を突っ込んでしまい、出口が見えなくなってしまいます。
けれども、「そうなんだね。今は不安を感じてるんだね。」
「出口はこっちにあるけど、自分で出たくなったら、
見つけてね。」というスタンスで、第三者的に
寄り添っていると、子どもは必ず自分でその出口を
見つけます。
一度自分で出口を見つけられたら、
もう不安を感じても大丈夫になってしまうのです。
このエピソードは、ただ単に子どもが不安になった時の
対処法を伝えているわけではありません。
子どもの不安に一緒になってうろたえているのは、
大人が小さい時に作ってしまった心の傷がうずくからです。
私たち大人は、小さい頃に自分で解決できなかった
たくさんの心の傷を、全部扉の中に押し込めて
鍵をかけてしまっています。
それを子どもたちは気づいていて、
その傷の扉を一緒にあけて、
解決方法を教えてくれているのです。
こんなふうに、とても分かりにくい方法で
子どもたちは、大人の心の傷を
癒そうとしてくれているのです。
気づいて欲しいな、パパとママ。
(土橋優子)
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