ある夕方の時間にスコーレ保育園で
起こった出来事です。
5才男の子が本をビリビリに
ちぎってしまいました。
「なぜやったの?」と
その場にいたスタッフが
気持ちを尋ねましたが
「分からない」と言います。
本人もやってしまったという表情で
いたそうなので
「この本どうする?」と質問を変えました。
するとその子は
「ごみ箱に捨てる」といったので
その日は「明日又気持ちを聞かせてね」
「この本をどうするかを考えて来てね」と
伝え、さようならをしました。
次の日の朝、
私が引き継ぎを受けその子に話をしました。
「ビリビリした時の〇〇くんの気持ちが
知りたいの。聞かせて。」と
たずねてみると…。
やはり「わからない」との回答。
そこで「分からないままにしておくとね、
〇〇くんの心の中に、
その分かってもらえない気持ちが
ずっとわかってくれるまで
残っているんだよ~。
そして見つけてくれないかなって…。
かくれていってしまうの、
それでもいいかな?」
「〇〇くんにに見つけて
もらいたいんだって」
しばらくして…
「哀しかったと思う」と答えてくれました。
「誰が哀しかったの?」
「本!それとぼくもかなあ~?」
「本も〇〇くんも、ビリビリして
哀しかったんだね~」
「教えてくれてありがとう。
もう一つだけ聞いていい?」
「うん!」
「ビリビリした後の〇〇くんの気持ちは
分かった!
する前の気持ちも知りたいなあ~」
「お手てがね、哀しいって言ってた」
「そっかあ~そのお手ては誰のお手て?」
「僕だよ!」
「そうだね、〇〇くんの心が
動かしているお手てだよね」
「哀しく感じていたのは、
ビリビリする前?後?」
「後」
「そうだね、では前は
どんな気持ちだったのかな?
今度は心に聞いてみて~」
「。。。。。。」
「う~ん、あのね~
あれ?この本固くないんだ!!
どのくらい固くないのかな?
やってみようって思ってた」
「ありがとうね、本当の気持ちを
見つけてくれて!」
「やってみたら、こんなことになって…
それで哀しくなったのね」
「ここまでお話してみてどう?」
「やってみたかったけど、
とても哀しかった。」
「うんうん。そうだね。
そうやって思えて素敵だよ!
今度はどうしてみたいと思ってる?」
「哀しくならないようにしたい」
「そっかあ~その哀しさを
忘れないようにしよう!」
「この本どうする?」
「お家でゆっくり、
パズルみたいにして直してくる」
「分かったお願いね!
これでこのお話はおしまいあそぼ!」
起きてしまったことをどうするか?
大切にしていけたらいいですね。
子どもたちは、言葉にして
初めて認識できて、
その後の自分に活かすことのできる力に
なります。
言葉にするって大切なんですよね✨
(土橋優子)
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なんとなくを具体的に言葉にしていくことで
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