幸せスイッチに切り替える

2023-04-15

新年度がはじまった園では
年上の子が、年少さんの手を繋ぎ
歩いてくれます。

ある年中さんのAくんが
今までは繋がれる方であったので
喜び勇んで、年少さんのBくんと手を繋ぎ、
いっぱい面白いお話しをしたり、
危険を回避したりしながら、
とっても楽しいお散歩を
演出してくれていました。

しかし、帰りになると
Bくんは、「Aくんと繋ぎたくない!!」と
言いました。
その理由は、ただ他の子と繋ぎたかったからでした。

でも、Bくんから出てきた言葉は
「Aくんと繋ぐのヤダ!」だったので
Aくんとしては、
「こんなにいろんなことをしてあげたのに、
そんなこと言うなんて悪いことだよ!」と
なるわけです。

その様子を見守っていた
年長さんのCちゃんは、
Aくんに「私と繋ごうよ~。」と
笑顔で声をかけてくれました。

Aくんは「やだよ!だってBくんが悪い。」
といって受け入れませんでした。
また別の年長さんが同じように声をかけても
拒否するばかり…。

そのうち、Aくんは
ひとりになってしまいましたので、
結局私と手を繋ぎました…。
納得していないようでずっと
「Bくんが悪い!謝ってほしい」
と言い続けていました。


それを聞いて、年長さんのCちゃんが
私もさっきAくんに断られた時
「Aくんに謝ってほしい。」って
同じ事を思っていたよ~。

「そうだよ!そうだよ!」
そんなことばっかり言ってたから
「みんな繋ぎたくないってなっちゃったんだよ!」と
他の年長さんの女の子達。

みんなに言われたことで
Aくんは更にみんなで言うから
「もういいよ!みんなヤダ!」
と言い始めたのです。

そんなやり取りを見ていて、
私はひと言だけ
「みんなは悪い人をつくりたいの?
それとも、どうなりたいの?
今はだーれも幸せそうに感じないなぁ。」
と伝えました。

すると、年長さんの女の子達が
「あっ!そうだったね~。
幸せな方がいいよね~。」と言って、
「AくんにはAくんの大切な気持ちがあったんだよね~。
後でゆっくり聞くからね。」
「先生任せて!私達がちゃんと受け止めるから。」って💕

そして、その後
「あのね、Aくんは、
怪獣になってみたかったんだって、
ごはん食べながら怪獣ごっこを
思いっきりしといたから、
もうみんなにこにこだよ。」

Aくんのもやもやも受け止めて、
その上で、Aくんの幸せなことを聞き、
それを叶えようとしてくれたのですね。

正しいことと、幸せであることは別なこと。
それを瞬時に切り替えられるって
すごい力であり共感力ですね。

子どもたちは、集団の中で、
いろいろな仲間と関わっていくことで、
嫌な気持ちになるという経験もたくさんします。
けれども、そんな時に
気持ちを切り替える方法を
ちゃんと分かっているんですね。

幸せスイッチを持っていて、
そこにシフトしていくと、
嫌なことも忘れちゃいます。
大人も同じ。
幸せスイッチは、できるだけたくさん
見つけておくといいですね。
(土橋優子)